「人生100年時代」に私たち一人ひとりはどう行動したらいいのでしょうか?
人生100年と聞くと、中高年の多くの人たちが「お金を貯めないと!」とか、「仕事を長く続けないと!」とか今ある生活を続けるための準備をどうするか?で不安と焦燥にかられているかもしれません。
「ライフ・シフト」の著者リンダ・グラットンが主張する一番のポイントは、お金やマイホームのような「有形資産」ではなく「無形資産」にあります。この「無形資産」は、3つあります。一つ目は「生産性資産」。二つ目は「活力資産」。三つ目は「変身資産」です。これら三つの無形資産は、マルチステージ化する人生100年時代において私たちが「新しい生き方」を実現するために真っ先に必要なものだといえるのです。
「生産性資産」というのは、仕事に役立つスキルや資格や知識、あるいは人脈のことをいいます。「活力資産」というのは、こころと身体の健康、良好な友人関係やパートナーや家族との愛情のことをいいます。「変身資産」というのは、「センス・オブ・ワンダー」の好奇心を持ち、新しいことにチャレンジする挑戦心や行動力のことをいいます。
私たちは皆、ただ一度しかない人生を後悔しないように過ごしたいと思っています。そのためには「やりたいように生きる」ことが大切です。学習することは何も若者だけの特権ではありません。一度就職したからといって、それで天職探しを諦める必要もありません。社会貢献活動に勤しむも趣味に没頭するのも、始まる時期は問われません。自分の思いを小さな起業によって実現することも可能です。
しかし、多くの人は、ほんの少しの勇気と行動に踏み込めずに、いまの生き方を変えることができないでいるのです。
では、どのようにしたら人生100年時代の新しいステージに移ることができるのでしょうか?
多くの人たちは、1でなければゼロという発想で、フルタイムのサラリーマンから起業をしたり、リタイア生活に入ってしまったりしています。しかし、そのための準備期間や試行期間を設けることができれば、不安が解消されるばかりか、心構えや必要な知識、スキルを身に着けることが可能となるはずなのです。
それをしないのは、時間的・精神的な余裕がないか、その重要性を認識していない、のどちらかなのかもしれません。
「やりたいように生きる!」
これほど皆があこがれ、難しい生き方もないでしょう。
しかし、ほんのちょっとの勇気と知識と時間があれば、誰もが「やりたいように生きる!」のではないかと筆者は考えています。次回は、「やりたいように生きる!」ための「ギャップイヤーの勧め」というテーマでお話しを進めたいと思います。
2019/2/12