リンダグラットンの3ステージモデルを日常で考えてみる

ラホヤコンサルティングの山本です。今日から100年ライフ.comではメールマガジンを会員の皆様にお送りしていくことになりました。よろしくお願いいたします。

 

リンダグラットンの3ステージモデルが成り立たないという話を、横浜市立大学のエクステンション講座などでご紹介しました。3ステージモデルとは「教育」「仕事」「引退」という古典的な人生のステップですが、引退の時期が長くなって成り立たないだろうという話です。これを実際に実感することが、日々あります。

 

昨日のことですが、大学で授業の前に学生と話をしました。彼に「就職はどうするのか」と聞いたら、彼は「卒業したら海外にインターンに行く予定。そこで、出来たら続けて働いて暮らしていきたい。その後はコンサルタントになりたい」みたいなことを言っていました。まさに、リンダグラットンの言うところの「エクスプローラー」を卒業後に予定しているわけで、このような生き方が若い人の生き方のひとつの選択肢となっているわけです。

 

逆に、夜、以前に仕事で世話になった方と話をしていたのですが、彼曰く、「地方では、中年の方々の働く場所がなかなかない。優秀な大学を卒業していても」とのことで、その方の工場で働きたいという話も少なくないそうです。地方創生の必要性は、いろんなところで語られていますが、実態は3ステージモデルの破たんが少なくとも一部の地域では現実のものとなっているともいえるかと思います。

 

若手はこれまでの働き方に縛られなくなり、企業側は地方のミドルの雇用を確保できず、制度的に高齢者の継続雇用をせざるを得ない状況にあります。結果として、企業の年齢構成は、ますます、上が重くて、支える世代が足りなくなるということも想像できます。身近な出来事を、3ステージモデルの破たんという目線で見てみると、世の中の動きも少しこれまでと違って見えてくるのではないかと思います。皆さんも試してみてはいかがでしょうか?

 

こういう状況に対応していくためには、これまでとは違った働き方を積極的に模索し、実現していくことが必要なのではないか。個人的には、そんな思いを益々、感じてしまった昨日の1日でした。100年ライフ.comではこういう社会課題に対して、メンバーの皆様と一緒に取り組んでいきたいと思っています。