100年ライフ.comの山本です。クリスマスも過ぎ、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。私の方はこれまでのメルマガにも書いてきた通り、今年は食道癌を患い、えらい目にあいました。前回までのメルマガで食道癌になってからの経緯をお知らせしてきましたが、その続きをもう一回だけお伝えしておこうと思いますので、お付き合いください。
前回もお知らせしたとおり、二回目の入院は5月25日でした。今回の入院は放射線治療と抗がん剤治療で少し小さくなった食道癌を切除するのが目的でした。入院時にはPCR検査を受け、その日のうちに結果を知らせてもらいました。結果は幸いなことに陰性ということで、入院も許可されました。
入院後、1日置いて27日に手術を受けました。手術は食道を全摘し、胃を伸ばしてつなぐというものです。詳しいことはよくわからないのですが、声帯の下側、2.5cm以上の余裕があれば、声帯を傷つけなくても済み、最終的には声も出るようになるという説明を受けました。自分の場合はこれが一応、3cmあるので、最終的に声は出るようになるという話でしたが、気管に浸潤した癌を取るために声帯を動かす神経をつけ傷つけるので、声がちゃんと出せるまでには時間がかかるとのことでした。
手術は食道を切除した部分に胃をのばしてつなげるので、手を入れるクリアランスを確保するために、右側の肋骨を一本折り、右側の肺を小さくする必要がありました。聞けば大手術の部類に入るそうです。
手術前、もしかしたらこれで最期かもしれないと思いながら麻酔を受け、意識をなくしました。手術は9時間にも及びました。その間のことは流石に何も覚えていませんが、意識を取り戻したのはICUでのこと。最初、目が覚めたときは、とても声がよく出ていたのを覚えています。でも1日たつと、当初の説明通り、声は小さくしか出なくなりました。これがなぜなのかはわかりません。ただ、手術は成功したと聞きました。
術後は体中にいろいろな多くの管が繋がれている状況になって過ごします。凄いと思ったのは、今は手術の翌日からリハビリが始まって、とりあえず歩きましょうということで歩かされることです。現在のリハビリは凄いもので、あまり痛みもないので、心拍数と血圧、血中酸素飽和度を見ながら、歩かされます。さすがに看護師さんは付き添ってくれますがそれで歩けるからすごいです。
手術直後からは栄養はすべて腸瘻からとってました。腸瘻は胃瘻よりチューブが細いので時間がかかります。手術直後は看護師さんがつないでくれましたが、2週間後ぐらいからは自分でつなぎます。腸瘻は4週間後の退院後まで続くわけですが、これは正直、嫌でした。腸瘻の管は細くて、すぐに抜けそうで結構、怖いです。
3週間ぐらい後からゼリーから始まる嚥下の練習、しばらくしてようやく糖分を含まない飲料を飲むことを勧められました。嚥下を失敗すると誤嚥性肺炎を起こす可能性があるため、そのあたり、お医者さんたちは慎重でした。一度は夜中に首の穴から飲んだコーヒーが噴き出すというパニックがありましたが、それ以外は結構、順調に回復していきました。そして、食べ物を口から取り入れられるかどうかを試します。いろんな味のゼリーが出てきて、例えばトマト味のゼリーなんかは正直、美味しくありません。まずいものはまずいといい、それでもある程度、固形物が食べられるようになると、退院ということになりました。お世話になった先生方、看護師の方々には本当に感謝でした。これが6月21日のことです。
退院後は一回に食べられる量は限られているので、一日、間食を含めて6回、食事をとりました。腸瘻は家に帰ってからは数日しかやらず、栄養はもっぱら口からとりました。
そしてそれからいろいろあって、6か月が経ち、今に至っています。3か月に一回の診察では今のところ、転移は見られず、順調に回復しているようです。生活していての違和感は①満腹感を感じない、②空腹感を感じない、③のどの渇きを感じない、④嚥下を失敗してせき込むことがある、⑤声はだんだん出るようになってきましたが、だみ声でカラオケは無理、ということぐらいでしょうか。体力はまだ元には戻ってませんが、仕事もある程度、できるようになり、普通の生活を取り戻しつつある状況です。ちなみに、アルコールも飲めますし、スコアはともかくゴルフのラウンドも何とかできるようになりました。
ということで、私の今年の最大のイベントであった食道癌について、年末を機に簡単にご紹介させていただきました。本当はもっといろんなことをお伝えしたかったのですが、だんだん長文になってきましたので、これくらいにしておきます。私からお伝えしたい最大のメッセージは「食道癌は東大病院」ということでしょうかね。少なくとも食道癌にはとっても良い病院でした。
来年はまた、100年ライフ.comの活動を徐々にスタートしたいと思っています。その際にはまた、オフ会やその他のイベントを皆様にお知らせしますので、良かったら参加してみてください。
来年もよろしくお願いいたします。皆様、良いお年を!