食道癌(1)

100年ライフ.comの山本です。皆様も今年はコロナの影響をいろいろな形で受けてご苦労されたかと思いますが、私自身はコロナと同時に食道がんを患い、この期間、えらい目にあいました。お陰様で今のところ、順調に回復に向かっており、仕事も少しずつ始めた状況です。今回のメルマガでは、せっかくなので、今回の食道癌に対して私が受けた治療に関して、簡単にですが記録を残す意味でもお伝えしておきたいと思います。人生100年時代となり、食道癌になる可能性も高まっているわけですから。

 

食道癌がどのような癌なのかはネットで調べればわかるので、ここで詳細は述べません。ただ、食道癌がどれくらいの病気かということで言えば、食道癌と新たに診断された人数は、2017年では男性が21345人、女性が4338人で合計で25683人です。また、食道癌で死亡する人は2018年だと男性が9358人、女性が1987 人で合計で11345人です(国立がん研究センターがん対策情報センター)。2019年の全国の交通事故死者数が3215人、自殺者数が19959人という数字と比較しますと、食道癌で死ぬ人はざっと言えば交通事故で死ぬ人よりは多く、自殺者よりは少ないけど半分よりは多いということになります。また、死に至らなくても食道癌にかかる人は自殺者よりも多いわけで、一応、注意はしておくべき病気ともいえるでしょう。

 

私が調子が悪いと感じたのは、今年の年初ごろです。このころ食事を飲み込むのがちょっとスムーズではなくなりました。自分的には大したことはないと思ってたのですが、とりあえず地元の病院でCTと内視鏡検査を受けました。これが1月15日から18日にかけてです。そして、結果を聞いたのは1月30日。診断結果は食道癌。まさか、自分が癌になるとは思ってもみませんでした。しかも診断結果はステージ4a。調べてみると、5年生存率は11.6%です。検査を受ける前は、ちょこっとメスを入れるとか内視鏡で切除すればよいと思っていたのですが、そういう簡単なものではありませんでした。

 

その病院で言われた治療方法は、放射線治療か、もしくは腸を切って食道してつなげるという手術の2択でした。しかも、その病院でできるのは放射線治療だけで、手術を受けるのなら病院を紹介するといわれました。もうひとつショックだったのは、癌の場所が声帯に近いところなので、手術を受けると声が出なくなる可能性もあるといわれたことです。声が出なくなると、こちらは全く今の商売ができなくなります。これはかなり困ったことで、また、その病院の診断を盲目的に信じるのもどうかと思ったので、別の病院を探すこととしました。

 

調べるといっても、ネットで検索してもよくわからず、個人的に知っている大学病院の先生やいろいろとお世話になっている医学界の偉い先生に伺うぐらいしかできませんでした。そこで勧められたのが今回お世話になった東大病院です。東大病院は院長の瀬戸先生の専門が食道癌とのことでした。

 

お世話になっている先生の紹介を受け、2月10日に初めて東大病院に行きました。東大病院は前を通ったことは学生時代を含めて何度もありましたが、中に入ったのは初めてです。さすがに立派な病院でした。瀬戸先生に病状をお話しし、もう一度、検査を受けることなりました。ただ、2月は私自身が毎年、仕事で忙しく、なかなか日程が合いません。先生には早いほうがいいのにと怒られながらも、検査を受けたのは3週間後の3月2日でした。

 

診断結果はやはり食道癌のステージ4a。治療としては、抗がん剤と外科手術による摘出を勧められました。提案抗がん剤治療は2週間抗がん剤を入れ、1週間あけるというサイクルを3回やるというものです。それだけで2か月かかります。その後の外科手術は食道を切り、胃を伸ばしてつなげるというものでした。癌は気管にも浸潤していて、声帯にも近いので、声帯を傷つけずに癌を摘出できるかは切ってみないとわからないといわれました。こちらはしゃべるのが商売なので、これにはちょっとビビりました。声が出なくてできるビジネスってなんだろうかと考えても、なかなか今から新たにできるものは思いつきません。でも、まずは生きていることが大事なんだろうということと、もう引き返せないだろうということで、先生に任せようとこの段階で思いました。

 

ちなみに、仕事は当初、3月半ばまでスケジュールが詰まっていたのですが、コロナによる自粛で3月5日以降の仕事が軒並みキャンセルになりました。おかげで3月6日から入院することができ、そこから治療を始まったわけです。ちなみに入院は小学校低学年以来のことでした。

 

入院してからの話は、次回のメルマガでまた、お話ししたいと思います。