さて、これまで人生100年時代を生き抜くための起業の必要性とそのメリット、アイディアの出し方などに関して、ここのコラムでいろいろと述べてきました。但し、起業というのは考えていると楽しいものではありますが、当然、いいことばかりではなくリスクも考えなければいけません。これからは少し、起業のリスクについて述べていきたいと思います。
起業のリスクにはいくつかの種類があります。
- 市場に起因するリスク
- 顧客に起因するリスク
- 競合の動きに関するリスク
- 自分に関するリスク
- チームに起因するリスク
他にもいろいろとあるかと思いますが、今後、数回にわたって、これらのリスクに関して整理していきたいと思います。
まず第一は、市場環境によるリスクです。今、コロナウィルスが流行っていて、倒産のピンチに陥っている中小企業は少なくないと報道されています。今まで何とか持ちこたえている企業ですらピンチなのですから、起業した直後の起業であればそれはもう影響は少なくないと想像できます。
このようなとんでもないリスクに関して、それでは国は何かをやってくれるかというと、いろんな要請をしてくるだけで、何かをサポートしてくれるわけではありません。資金繰りの支援ということでお金は貸してくれるでしょうが、そこで低金利の借り入れをしたとしても、新しい会社は借金漬けになるだけです。ましてや、資金繰りのサポートというものは昨年に比較して売り上げが落ちたという証拠が必要でしょうから、創業初年度の起業には貸し付けてくれるはずもありません。
こういう市場環境的なリスクは、自分の責任ではないのに、いつ発生するかわかりませんし、それに対して誰も支援してくれません。今の政府の動きを見ても国はあてにならないと考えておくべきでしょう。
こういうリスクに関して対応しておくためには、いくつかのポイントを考えておく必要があります。まずは、我々は起業としてプチ起業、つまり今の仕事と並行するような形で行ったほうがいいということです。これはあらゆるリスクに関して共通に言えることですが、やっぱり中高年になってからの起業は、すべてを賭けるのはやっぱり危険です。よく、起業したらそれに集中すべきだという人もいますが、それはあくまでも確率論で勝ち抜いた人であって、同じようなことをやった多くの人は失敗しているはずです。たまたま勝った人が真実のように物事を語ることが多いことは頭に入れておかなければなりません。若い時は失敗しても取り返しはつきますが、中高年だと失敗のダメージは最小限にしておく必要があるかと思います。
そして2つ目は、あまり大きくスタートしないということです。新しい事業なんていつ、どれくらいの規模で立ち上がるかなんて分かるものではありません。売り上げが見込み通りに立たないときにどれくらい持ちこたえられるのかは常に考えておく必要があります。少なくとも売り上げが立たなくても半年は持ちこたえられる資金と、できるだけ低い固定費でスタートすることが重要です。オフィスにお金をかけない、安易に人を雇わない、こういうことを頭に入れて最初の事業計画を立てることが重要です。
こんな形で、ここでは今後、いろんなリスクを挙げていきたいと思います。