これまでは、人生100年時代になぜ起業を考えなければならないのか、そして、起業をするにあたって、中高年に有利なところはどういうところかを簡単に整理してきました。人生100年を生きるには、働かなくてはいけなくて、さらに今の社会の仕組みでこれまでと同様に雇用の場が用意されるかというのはさすがに無理だろうという理屈です。この話をして今まででいちばんきついご意見は「そんなのエリートの戯言よ」というものでした。これには、結構、衝撃を受けたものです。でも、残念ながら我々はエリートでもないし、戯言とも思っていません。ということで、もう少し中高年での起業について考えていきたいと思っています。
今回は、どういうアイディアで起業するかについて考えてみます。起業におけるビジネスアイディアに関しては、いくつかの切り口があります。例えば、
- 自分がやりたいことをテーマとすべきか
- 自分が得意なこと、できることをテーマとすべきか
という視点です。
この2つは決して二者択一というわけでもないのですが、さて何をしようかと考えるときには結構、悩ましい問題です。せっかく起業するわけですから、どうせなら自分がやりたいことをやったほうがモチベーションも上がるでしょう。でも、成功を考えたらやっぱり不得意なことやできないことにチャレンジするのは難しいし、得意なことや自分が持っている資産を生かすようなことをやったほうがそれがやりたいことにつながるのかもしれません。
ここで考えていただきたいのが、果たして一人で考えるだけでいいのだろうかということです。自分一人で考えても、視野はそれほど広くないだろうし、思い込みにも陥りやすくなります。もし、同じ志をもつ方と二人、あるいは三人で検討、協力できれば、視野は広がりますし、強みも増えます。
ビジネスアイディアを考えるときに、参考になるのがジェームズ・W・ヤングの「アイディアの作り方」です。この本はアイディア出しのための古典と呼ばれている本ですが、ここで語られているアイディアの作られる二つの原理として、下記を挙げています。
- アイディアは一つの新しい組み合わせである。
- 新しい組み合わせを作り出す才能は物事の関連性を見つけ出す才能によって高められる。
つまり、新しいアイディアは新たに生み出すのではなく、既存のものの組み合わせで出てくるというのです。ですから、一人の意見ではなく、いろんな人の意見を聞き、それを取り入れて新たなものを生み出すことで、既存のビジネスに差別化できる新たなアイディアが出てくるのではないでしょうか。
次回のメルマガでは、もう少し具体的なやり方のアイディアを考えていきたいと思います。