さて、参院選も明日に控えることになりました。100年ライフ.comでも、基本的に年金だけでは足りないだろうということを昨年から言ってきましたが、今年になって財務省の金融審議会の報告書で、年金だけでは2000万円たりないということが指摘され、政府はそれを受け取らなかったということで、この問題が注目されるようになりました。
ということで、各党が参院選での公約で何を語っているのか、比較してみようと思います。検索すると、FNNのこのめざましテレビの記事では、各党の年金政策がまとまっているように見えます。
https://www.fnn.jp/posts/00047305HDK/201907192000_MEZAMASHITelevision_HDK
これをざっくりとみていくと、
自民党:「10月から収入の少ない年金生活者に年間最大6万円の福祉給付金を支給する」
公明党:「低年金者への福祉的な措置として最大月額5000円を支給。さらなる拡充を検討する」
立憲民主党:「安心して医療や介護が受けられるよう年金の最低保障機能の強化」
国民民主党:「低所得の年金生活者に対して最低でも月に5000円を給付」
日本共産党:「基礎年金額が満額以下の年金生活者に一律で月額5000円を上乗せする」、「マクロ経済スライドを廃止して“減らない年金”を実現する」
社民党:「マクロ経済スライドによる抑制を中止する」とし、「最低保障年金を創設し、無年金・低年金問題の抜本的な解決を目指す」
日本維新の会:「これまでの賦課方式から積立方式に移行させる」
という感じです。
これらの政策を見ていて、ざっくりと感じるのは以下の2点です。
① これらの公約はどこに書かれているのだろうかということ。
例えば、自由民主党の選挙特設サイトを見ても、年金に関しては次のように書かれているだけです。「持続可能な年金制度とするために自民党が与党時代に断行した改革に基づく現行制度を基本に、保険料を納付した者に年金を支給することを原則に、官民格差を是正する被用者年金の一元化、受給資格要件の緩和、年金受給時期選択の弾力化など必要な見直しを行います。」
また、立憲民主党の参院選のサイトには、「高齢者が安心して暮らせることが、社会の活力には欠かせません。老後に備えて「2000万円貯めなければならない社会」でなく、「大きな蓄えがなくても安心できる社会」を目指します。医療・介護・保育・障がいに関する費用の世帯の自己負担額合計に、所得に応じた上限を設ける総合合算制度を導入します。安心して医療や介護が受けられるよう年金の最低保障機能を強化します。」と書かれていますが、金額の記載がないのでどれくらい安心につながるのかがよくわかりません。
ですから、各政党とも、年金をあてにして生きていける老後の実現に向けての具体策は語らず、とりあえず年金を破たんさせず、足りない年金の再分配の方法に議論を変えているようにも見えます。
② 各政党の主張を見て、これで安心して100年生きていけるのかということがわからないということです。月額5000円という数字にそれほど意味があるんでしょうか。変な話ですが、月額5000円が増えたところで、一回飲みにいけば終わります。この数字だと年間6万円、30年で180万円ですから、2000万円足りないという問題には何も答えていません。
少なくとも、今回の参院選の公約を見る限りにおいては、どの党が選ばれても、引退後は働かなくても楽しく老後を過ごせる社会が実現できるようにはなりにくいように考えられます。政治がこんな状況なわけですから、そのような社会で人生100年をどのように過ごしていくのか、各個人で真剣に考える必要があるのではないか。そんなことを考えながら、私自身は、明日、投票に行きたいと思います。