人生100年時代に生きるヒント(その5):お金との付き合い方

人生100年時代、定年後の生活は誰もが心配です。健康のこと、仕事のこと、生きがいのこと、等々、いろいろと心配の種は尽きません。

そして、誰に聞いても必ず出てくる話題は、いうまでもなくお金の心配です。人生70年の時代であれば、仕事を60歳頃でリタイアして残りの人生はせいぜい10年、ある程度の貯えと年金、退職金がもらえれば、悠々自適の生活も夢ではなかった訳です。

けれども、人生100年時代の今日において60歳でリタイアなどしようものなら、残りは40年。とてもではないけれど生活はできません。そこで誰もが考えるのは、お金をどのように稼ぐのか、貯めるのか、儲けるのか、使えばいいのか、ということではないでしょうか?

しかし、生きる術ともいえるお金の扱いに失敗している人がなんと多いことか!

たとえば、運よく退職金をもらえたとします。最近は退職金の額も目減り傾向ですが、それでも勤続20年以上の定年退職の人で平均1200万円程、一部上場クラスの大企業だと2000万円程のまとまったお金が手に入ります。(厚労省平成29年度データ)

では、その退職金をどうするかというと、一番多いのが、定期預金です。この超低金利の時代に1年定期の金利は高いところで0.15%(イオン銀行)メガバンクは、軒並み0.01%(2019年5月金利)です。これは、1000万円を1年預けて、メガバンクだと、たったの100円!。イオン銀行でも1万5000円という金額です。これは、数回他行へ振込するなどの手数料で吹き飛んでしまうほどの金額です。

それじゃあ、余りにひどいということで、退職金の運用で考えることと言えば、高いリターンを期待できる株式や投資信託の投資、さらにはワンルームマンションに投資をして、結局は大損をしてしまうというケースです。

前回の私のコラムで、「リーン・スタートアップ」(lean startup)という言葉をご紹介しました。

ここでは、起業することを念頭にお話をしたのですが、実は起業に限らず、新しいことにチャレンジする時に成功だけを考えて突き進むのではなく、「失敗しない」やり方を知っていることは、とても重要なことなのです。つまりは、 「失敗を回避しながら、成功確率を高める方法」を知ることだといえるでしょう。

お金は必要なモノです。ゆえに、誰もがお金を貯めようと考えます。しかし、お金を効率的に貯め、増やし、そして、豊かな人生に役に立つ使い方を知っている人は、案外少ないように思うのです。このあたりについて引き続き、考えていきたいと思います。