前回の私の担当するメルマガで、中高年からの起業で強みとして考えるべきものとして、
① 実社会で実績のあるスキルがある
② 実社会で実績のある人脈がある
③ 実社会で活動しているため、稼ぎながら準備ができる
の3つを挙げてみました。今回はまず、①のスキルに関して考えてみたいと思います。
スキルとは、ウィキペディアによれば「物事を行うための能力のことである。」と定義されています。とても漠然としていますが、中高年になっていれば、学生時代、企業人時代を経験した方々はいろいろなことを行ってきているはずです。ですから、その物事を行うための能力は多かれ少なかれ、蓄積し、身に着けてきているはずです。
問題は、その「物事を行うための能力」が今後、起業するために武器となるものなのかどうかということです。起業をするための武器となるスキルかどうかは、おそらく下記の3つを満たすかどうか、あるいは満たせるようにできるかどうかで判断する必要があるでしょう
① 自社だけでなく、ある程度、外部の会社、もしくは社会で活用できるものであること
② 他人と比較して、ある程度、優位性があるか、差別化できる特徴があること
③ 自分が今後、活用し、時代とともに更に高めていく意欲と興味がわくものであること。
まず、①ですが、これは結構、簡単ではありません。なぜならば、一般的に企業人としていきても、スキルはあくまでも社内で生かすことが殆どで、なかなか社外で活用する機会は多くありません。SEとかコンサルタント、ミュージシャンや物書きなどのような外注を受ける立場であるならば外でスキルや知見を活用する機会はありますが、多くの場合、はなかなかそういう機会が多く得られるわけでもありません。
次に②ですが、スキルに関しては、他人に対して優位性がなければスキルとは言えないと考えるべきです。優位性がないということは誰でもできるということですから。例えば、自分のスキルを考えたときに、それが10人に一人のレベルのスキルでしょうか。少なくとも社内で10人に一人のスキルでなければ、社内でのスペシャリストとは言えないでしょう。そして、そのような10人に一人のスキルを二つ持てば、100人に一人の存在となりえます。そのような複数のスキルを活かす分野が見つかれば、自らの差別化は容易になります。
そして、③ですが、当然のことながら、自らのスキルやそれを活かす分野は自分が興味が持てることが重要です。スキルは時代とともにチンブ化しますから、バージョンアップが常に必要です。常にバージョンアップするためには、やはり自らが興味を持てる分野であることが必要でしょう。
中高年で起業するためには、まず、このようなスキルを持っているか、あるいは持てるかを自分に問いかける必要があると思います。少なくとも起業する前には、今の企業内での環境や制度を利用して、このようなスキルを身に着けておいたほうがいいように思います。